2020/08/21 12:55


先日、いつも、お世話になっている、Nさんに
パンデイロの打面の事、理想的な響きについて、何か書いてもらえませんか?ってお願いをしました。

sumikovはパンデイロをと言う、楽器を作る。
作る事が仕事だと考えています。
なので、どう言う物を作るべきなのか?
意外と、何にもわかっていないです。
望まれる響きを如何に作り出すか?

Nさんの考えです。

“僕がパンデイロを始めたのは、クラブジャズやヒップホップのリズムが叩きたいと思ったからです。小さいから手軽かな?と。実際はすごく奥が深い楽器でしたが。そんな理由で始めたので、当初、僕がヘッドに求めるのはファットな低音一択でした。しかし、シャッフルやスウィングの奏法を試行錯誤するうちに全てかかとスタートの演奏に変えた結果、今度は中音、親指や指先のスラップでしっかり抜ける音を出すことが重要だと感じています。皮のヘッドは叩いていくうちにどんどん音が変化します。皮が柔らかくなって、低音はまろやかで落ち着いた響きになります。しかしスラップの抜けは悪くなる印象です。チューニングで皮を強く張れば中音の抜けはよくなるが、低音の音程が高くなる。皮を緩めれば低音の音程は下がるが、低音のアタックと中音の抜けが物足りなくなる。その兼ね合いでチューニングを調節しています。
僕はドラムは叩けないですが、音楽を聴くときに一番に耳が行くのはドラムの音質です。デッドな音のタイトなドラム、中でもキング・クリムゾンのアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」のドラムの音が一番といっていいほど好きです。デッドな中にも適度な胴鳴りとスネアのスナッピーの響きがあって。もちろんそのドラムの音をそのままパンデイロにあてはめるのは無理だし、それならドラムやれよとなるのですが、雰囲気だけ持ってこれないかなと考えています。強すぎないけど抜けるアタック音、適度な胴鳴り、タイトな粒立ち、強弱の表現。そういったものをパンデイロの音で表現できたら最高だな、と。なんだかよくわからない話ですが、今のところの理想です。“

現在、sumikovでは丹波篠山の鹿肉のジビエ精肉加工を行なってはる。カーリマンの新田さんの協力していただきながら、精肉過程で出て来る、鹿の原皮を分けて頂いて、本格的に鹿皮の打面の開発を進めています。

開発の状況は、今後、このブログで定期的に報告をさせて頂きます。

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鹿の皮、鹿の角、鹿の骨、、